補題2
2.「差のパターン」の右端は、それより大きい傾きで進行する
の証明を書き直します。
コラッツ操作を式で表した
x(3/2)^n + 3^(n-1)/2^n + 3^(n-2)/2^(n-1)*□ + ... + 3^1/2^2*□ + 1/2*□ = X
x(3/2)^n + f(n) = X と置く
□には1か、2のべき乗が入ります。
先頭のx(3/2)^nが「左端を伸ばすパターン」、
残りの太字f(n)が「差のパターン」に対応しています。
と、f(n)を等比級数であらわした
(3/2)^n -1 ≦ f(n) ───(ロ)
を使います。
オートマトンは2進数で表現しているので、f(n)の対数を取ります。
log2f(n)
「差のパターン」の傾きを知りたいので、差分を取ります。
log2f(n+1) - log2f(n)
=log2{f(n+1) / f(n)}
≧log2[ {(3/2)^(n+1) - 1} / {(3/2)^n - 1} ]
───(ロ)式と{(3/2)^(n+1) - 1} > {(3/2)^n - 1}より
この式が「元のコラッツパターン」の傾きlog2(3/2)より
大きい事が言えれば良いわけです。
一般に1より大きいaに対して
a^(n+1) -1 > a^(n+1) -a
が言えます。これを変形して
a^(n+1) -1 > a*(a^n -1)
(a^(n+1) -1) / (a^n -1) > a
aに3/2を代入して、対数を取れば求めたい式が得られます。
log2{f(n+1) / f(n)}
≧ log2[ {(3/2)^(n+1) - 1} / {(3/2)^n - 1} ]
> log2(3/2)
以上で補題2が証明できました。